「コウノドリ」という産科医療漫画の第4巻で先天性風疹症候群が取り上げられています。本来はもう少し先になる予定だったのですが、これから風疹の流行シーズンということで早めに掲載していただくことができました。

実は作者の鈴ノ木ユウ先生とは1月にリアルでお会いしたことがあります。その時にチラっと見せていただいた読者感想の中には、コウノドリがきっかけでワクチンを打ちにいきましたという方もいらっしゃったようで、嬉しいです。

先日、『職場における風しん対策ガイドライン』(国立感染症研究所)が公開されました。このガイドラインは2013年の風疹流行が大人の男性を中心に起きたことを背景に策定されたものです。

職場での風疹対策のポイントは2つあると思います。まず「風疹の症状が出た社員は発疹が消えるまで休む(休ませる)」ことです。もし誰かが感染症にかかるとその人の仕事を他の人が穴埋めすることになります。しかし感染が拡大して出勤できない社員が増えてしまったらどうなるでしょうか。チームが壊滅状態になり仕事が回らなくなるかもしれませんし、最悪の場合は大きな契約チャンスを失うことにつながることもあるかもしれません。ですので患者が発生した場合は速やかに休業等の措置を取るべきです。

つぎに「社員が抗体検査や予防接種を受けやすい環境作りをする」ことです。できれば接種の費用補助や社内での接種などの対策を講じて頂きたいのです。これには費用がかかりますが、感染が拡大し業務に支障が生じるリスクを減らすことができます。女性が安心して働ける職場というプラスのイメージも得られるでしょう。風疹の流行そのものがが起きないように日頃からリスクを把握し対策を行うことが必要です。

今年は風疹ではなく麻疹の流行がみられています。昨年(2013年)一年間で報告された患者数は232人でしたが、今月9日時点で252人となっています(『はしか患者増加 去年1年間を上回る』NHKオンライン)。なんだまだそれだけなら大丈夫だろうと思われるかもしれません。でもこれは感染研に報告された数なので、実際にはこれよりも患者数が多いと考えられます。麻疹でも妊婦さんが感染すると流産や早産を起こすリスクがあります。流行の拡大に備え各職場においてワクチン接種を勧奨していただきたいと思います。

最後に…、漫画の中に出ているハルカちゃんのことばを紹介しておきたいと思います。

伊達さん、赤ちゃん産まれるの?
じゃあ、ちゃんと風疹の注射受けてね。
私の病気のせいで、お母さんが私に隠れて泣いてたり、お父さんが笑わなくなったりすることがあるから。
だから私はずっと笑っていようって決めたの。
でもさ、ずっと元気にして笑ってるのも、これが結構疲れちゃうんだな。
だから伊達さんの赤ちゃんにそんなこと決めさせたら、かわいそうだよ。